プノンペン(カンボジア)
カンボジアを深く知る者から、祝祭日大国カンボジアと言われるほどカンボジアには休みが多い。その祝祭日、様々なものがあり、国教である仏教に関する祝日、国王の生誕、即位日などのほか、他国同様インターナショナルホリデーでもある祝日などで、1年間の総祝日数は27日にのぼり、日本の年間祝日数16日と比べると驚異の数字である。
また面白いことに、カンボジアでは、その祝祭日ごとに何らかのイベントが開催されているのであるが、中でも最も人気が高く、カンボジア最大のイベントとされるのが「ウォーターフェスティバル(ボンオムトゥーク)」である。
このイベント、雨期から乾季へと変わる節目の時期と重なる11月の満月の前後3日間に亘って開催され、その一番の目玉となるのがボートレースとなり、この時期だけで、カンボジア全土から多くの観光客(一説では300万人以上)がプノンペンに押し寄せている。
ボートレースにはカンボジア全土から250チーム程度、合計18000人ほどが参加(年々増加している)。細長いドラゴンボートには一隻に40人を超す選手が乗り、掛け声とともに力いっぱい櫓を漕ぎ、スタート地点であるトンレサップ川上から王宮前のゴールまでものすごいスピードで流れて抜けていく。
レースは2日に亘って開催され、2日目の決勝戦になると王宮前の人だかりから熱気と歓喜の声が響いてくる。余談ではあるが、ボートレースの歴史はアンコール王朝に遡り、当時の兵士たちのトレーニングとチームワーク向上を目的として催行された国家的イベントであったといわれている。もちろんウォーターフェスティバルで開催されるイベントはボートレースだけでなく、広場では有名シンガーによるコンサートなども開催されるほか、リバーサイドには多くの屋台が軒を連ねる。
日没後は花火が打ち上げられ、川には電飾に彩られた巨大な船が人々の目を楽しませる。その様子は浴衣こそないが、日本の縁日さながらで若者カップルや家族連れのカンボジア人が綿あめや風船をもって散策したりする。
そんなお祭りですが、観光に関しての注意点を。この時期にはお祭りの人混みをいいことに多くのスリや泥棒、ひったくりが多く出没するほか、カンボジア全土から多くの観光客が訪れるため、都市間移動の交通機関は便乗値上げの上、ほぼ満席。もちろんプノンペン市内も渋滞で動けなくなるほか、宿泊施設などもほとんど見つかりません。もし、観光に来る際には移動手段と宿の確保をお忘れなく!
投稿者:八納なつみ カンボジア在住7年目。旅行会社に勤務しており、様々な国や都市を訪問しています。
●開催データ | |
国名 | カンボジア |
都市名(地域名) | プノンペン、シェムリアップ |
イベント名(日本語表記) | 水祭り(ウォーターフェスティバル) |
イベント名(現地語表記または英文名) | Water Festival / Bon Om Touk |
開催時期(前回開催・次回開催) | 毎年11月の満月の前後3日間 2017年度は11月2日~4日、2018年度は11月21日~23日を予定 |
初回開催年 | アンコール王朝時代とされる |
来場者人数(規模感) | 300万人程度(プノンペン) |
アクセス | プノンペン、シェムリアップのリバーサイドで開催 |
主催する団体(名称) | |
公式ホームページURL | |
料金 | 無料 |
予約 | |
知名度 | ★★★★★(カンボジアでは) |
おもしろ度 | ★★★☆☆ |
開催場所(主な会場) | リバーサイド(プノンペン・シェムリアップ共) |
開催場所(住所) | 王宮前広場(プノンペン) |