リグーリア州ジェノバ県コゴールノ市 Cogorno(イタリア)
13世紀ごろにこの土地を収めていた貴族、フィエスキ家の領主の結婚を祝って、市民が結婚式の前夜に領主に捧げた「独身最後の宴」を再現した時代劇ショーです。
出演者は、皆、その当時を再現した時代衣装をまとい、中世時代の音楽やダンスで領主の結婚を祝います。このイベントの花形は地元の青少年からなる鼓笛隊と旗振り隊のパフォーマンス。一度聞くと耳から離れないマーチをバックに、彼らの日頃の練習の努力を感じさせる旗振り隊のパフォーマンスは、旗を落としてしまって失敗しても観客から「ブラボー!」と声援が飛び交うとても温かい雰囲気で包まれます。途中、本物の甲冑をまとい、真剣勝負で戦う剣闘士のコーナーでは、地面の石と擦れた刀から火花が飛び散るほどの迫力です。
プロのパフォーマーが見せる大道芸や火を使ったダンスや、バグパイプをメインとしたバンドの演奏も中世の時代を再現しており、こちらも大変見ごたえがあります。王座はもちろん、資料を基に、その当時に出されていたお祝いの食べ物も貴族のテーブルに並んでおり、とても華やかです。まるで、中世の時代にタイムスリップしたかのような、また映画のワンシーンの中に入り込んだかのようにさえ感じる、当時の雰囲気を感じられるこのイベント。毎年変わる主役の領主役をはじめ、実は演じているのは皆さん素人の地元の市民たち。小さな子供からお年寄りまで、様々な役割で登場する姿も微笑ましいんです!
会場はフィエスキ家の聖堂前の小さな広場で開催される為、大勢が入れる訳ではありませんが、毎年噂を聞きつけた観光客が各地から見に来ているようです。ちなみにこの時代劇は午後9時頃より夜中0時半過ぎまで長時間にわたって開催されるので、観客はレジャーシートやクッション持参で座って観覧します。小さい会場のため、出遅れると後ろの方での立ち見となってしまいます。3時間超で石の上で座っていると腰やお尻が痛くなってきますが、その価値は十分にある珍しいイベントです。
この翌日の8月14日には、お隣のラバーニャ市の広場で結婚式のセレモニーを再現する「トルタ・デイ・フィエスキ」というイベントも開催され、この日には花嫁役もお披露目となり、領主の正式な結婚が認められる、という流れです。中世時代の雰囲気を感じられるこの珍しいイベント、日にちも毎年固定で、2日間に渡り開催される為、現地に宿泊されてゆっくり楽しまれるのがおすすめです!
投稿者:おやびん 2011年よりイタリア、リグーリア州のジェノバ在住のブロガー&コラムニスト。食いしん坊で美味しい物と旅行、写真が大好きです!青い海の綺麗なリグーリア海の素敵な風景を紹介します! ブログ:そうなの!?イタリア http://ameblo.jp/sounano-italia/
●開催データ | |
国名 | イタリア |
都市名(地域名) | リグーリア州ジェノバ県コゴールノ市(Cogorno) |
イベント名(日本語) | アッディオ・ドゥ・ファンティン |
イベント名(現地語) | ADDIO DO FANTIN |
開催時期(前回開催) | 毎年 8月13日 |
初回開催年 | 1982年 |
来場者人数(規模感) | 数百人 |
アクセス | 鉄道ジェノバ・ピアッツァ・プリンチペ(Genova Piazza Principe)駅よりラヴァーニャ(Lavagna)駅まで電車で約1時間10分、駅からバス39番または13番で約25分。 |
主催団体(名称) | Comune di Cogorno(コムーネ・ディ・コゴールノ) |
公式ホームページ | http://www.comune.cogorno.ge.it/hh/index.php |
料金 | 観覧無料 |
予約 | 予約不要 |
知名度 | ★★★★★ |
おもしろ度 | ★★★★★ |
開催場所(主な会場) | ピアッツァ・イノチェンツォ四世広場(Piazza Innocenzo IV) |
開催場所(住所) | Piazza Innocenzo IV, 20, 16033 Lavagna (GE) |