ポデンセ(ポルトガル)
皆さんはポルトガルというと、しっとりとした落ち着いた国というイメージを持っていませんか?
ではまず、YouTubeのビデオをご覧になって下さい。
ね、イメージとは大違い。でも、これを見ただけで行きたくなったのではありませんか?
◆ポデンセは小さな小さな村
北をスペインのガリシア州、東をやはりスペインのカスティージャ・イ・レオン州に接したトラス・オス・モンテス地方(Tras os Montes)には広大な国際ドウロ自然公園(Parque Natural do Douro internacional)があります。その中のブラガンサ(Braganza)のマセド・デ・カヴァレ イロ市(Macedo de Cavaleiro)の中の小さな村がポデンセ(Podence)です。
14,33㎢の村の中には、黒板石を重ねて造った家が建ち、人口はたったの180人ですよ。
◆さぁ、カーニバルの始まりだ!
ところが、真冬の2月に催されるこのカーニバルの4日間となると、ポルトガル、スペイン全土のみならず、ヨーロッパ各国からこのカーニバルに参加しようと、村は隙間がないほどになります。
そぉ、このカーニバルは見るのではなく、参加するのです!
◆鬼も準備万端!
ブリキ、皮、あるいは木で作られた角無しの赤鬼の面をかぶり、ポルトガルのシンボルカラーを主とした衣装で全身をまとい、腰にはたぶん飼牛から拝借してきたカウベルをぶら下げています。
この鬼祭りの期限はローマ時代にもさかのぼるとも言われていますが、確かなことは分かっていません。ポデンセの村でこのカーニバルを企画、実行したのは一つの文化協会で1985年のこと。これが大当たりをしたわけです。鬼たちが話題に話題を呼び、すたれ果てた村には少なくとも年に4日間、万を超える人が押し寄せます。それだけではありませんよ。この鬼たちは出張までするようになりました。ポルトガルは大西洋に浮かぶマデイラ島までも。お隣のスペインはもちろん世界10か国、日本まで出かけているのをご存知ですか?
◆なんとしても捕まえよう!
この鬼たちは、なにも人を取って食おうというのじゃないのですよ。女性と一緒に踊りたいだけなのです。お面の中は見えませんから、この時とばかりに日頃思いを寄せている女性を狙う鬼もいることでしょうね。
カランカランとカウベルを鳴り響かせながら追いかけてくる赤鬼に捕まらないように、狙われた女性も逃げ回らなければなりません。これこそまさに鬼ごっこです!
捕まった女性は、否応なしに鬼に合わせて踊らなければならないのです。鬼の雄たけび、女性の悲鳴、笑い転げる周りの人々。
こんなに元気な楽しいカーニバル。見に行くのではなく参加をしに、あなたも是非ポデンセを訪れましょう!
投稿者:佐々晶子 スペインに在住して30年、観光ガイドの仕事をしています。 バスに乗っても、電車に乗っても、眠るなんてとんでもない。小さな目を大きく見開いて、美味しそうなお店、お洒落な宿、変わった村などと、どこかいい場所の発見をするのが大好きです。 ブログ:https://ameblo.jp/ookawasasuke/ Twitter:https://twitter.com/akiko_sassa Facebook:https://www.facebook.com/akiko.sassa.71
●開催データ | |
国名 | ポルトガル |
都市名(地域名) | ポデンセ podence |
イベント名(日本語) | ポデンセのカーニバル |
イベント名(現地語) | Caretos de Podence |
開催時期(前回開催) | 2017年2月25日~28日、2018年2月24日~27日(未定) |
初回開催年 | 1985年 |
来場者人数(規模感) | 10,000人~12,000人(4日間) |
アクセス | Portoから車で1時間50分。バスではMacedo de Cavaleirosまで2時間20分行き、Macedo de Cavaleirosから車で15分。 |
主催団体(名称) | Cámara Municipal de Macedo de Cavaleiros |
公式ホームページ | http://www.cm-macedodecavaleiros.pt/ |
料金 | 無料 |
予約 | 不要 |
知名度 | ★★★★☆ |
おもしろ度 | ★★★★★ |
開催場所(主な会場) | Podence |
開催場所(住所) | Podence, 5340-392 Macedo de Cavaleiros, Portugal |