ブラジルでカーニバルに次いで人気の祭り!冬の風物詩「フェスタ・ジュニーナ」

ブラジル全土(ブラジル)

6月といえばブラジルでは冬。サンパウロでは朝晩の冷え込みが厳しくなり、街行く人々もコートにブーツと冬の装いだ。しかし日中は日によっては初夏のような気候になることも稀ではなく、冬の日中にはタンクトップにブーツ姿の女性もよく見かける。さて、この時期にブラジル人が楽しみにしているイベントがある。ブラジルの冬の風物詩、フェスタ・ジュニーナ(6月祭り)だ。

フェスタ・デ・サン・ジョアン(Festa de São João; 聖ヨハネの祭り)とも呼ばれるこの祭りは6月半ばから7月を通してブラジル全土で行われる。16〜17世紀にポルトガルからもたらされ、ブラジルでは冬至、収穫、そして聖ヨハネの祝日(6月24日)を祝う機会となった。また、6月には聖アントニオや聖ペドロといった人気の成人の祝日もあるため、それらを一緒に祝う祭りに発展したのだ。

サンパウロ市内の教会で行われたフェスタ・ジュニーナ。カラフルな旗はフェスタ・ジュニーナのシンボルだ。(写真提供:カルヴァリオ教会)

ブラジル北東部は特に乾燥している地域だが、フェスタ・ジュニーナの時期は乾期が終わって皆が待ち望んでいた雨季がやってくる時期に当たる。そこで、この地域では聖ヨハネが恵みの雨をもたらしてくれたことへの感謝を捧げる機会として、フェスタ・ジュニーナが特に盛大に祝われる。

田舎の暮らしを祝福する祭りでもあるため、参加する人々は田舎者の格好をする(男性はチェック柄のシャツに麦わら帽子をかぶり、女性は継ぎ接ぎのドレスを着てほっぺたにそばかすをつける)。祭りでは主にフォホ(Forró)と呼ばれる種類の音楽が演奏され、人々は音楽に合わせてフォークダンスを踊る。

田舎者の格好をした人たちがフォークダンスを踊る。(写真提供:カルヴァリオ教会)

典型的なフォホの演奏はアコーディオン、トライアングル、太鼓を使って3人で行われるが、グループによっては、バイオリン、フルート、パンデイロやギターを加える場合もある。フォホの作曲家・演奏家として有名なルイズ・ゴンザガの代表作の一つ、Asa Brancaはブラジル人なら誰もが口ずさめる曲だ。

祭りでは輪投げや魚釣りなど子供が楽しめるゲームが用意されるほか、数々の冬の食べ物が露天で売られる。典型的な食べ物は茹でトウモロコシ、コーンケーキ、コーンブレッド、キャラメルピーナッツ、サツマイモやカボチャ、ココナッツで作ったお菓子、ホットワインなど。

フェスタ・ジュニーナは公園でも行われる。フォホを演奏するミュージシャン。

【動画】公園でのフェスタ・ジュニーナ。フォホと呼ばれる音楽が演奏される。

フェスタ・ジュニーナはブラジル全土の教会や公園、市民館などで開催されるほか、学校では恒例行事にもなっている。最近ではフォホやセルタネージョ、バイアオといった音楽のアーティストを招いての音楽フェスティバルを行う会場もある。

小学校でのフェスタ・ジュニーナ。ブラジルの学校の恒例行事になっている。

【動画】サンパウロ市内の小学校で開催されたフェスタ・ジュニーナ。

ブラジルではカーニバルの次に盛大に祝われるが、意外に国外では知られていないフェスタ・ジュニーナ。6、7月にブラジルを訪れるなら、参加する価値はあるだろう。

 

サンパウロ オダノリコ投稿者:オダノリコ

パリで6年半過ごした後、結婚を機に2011年からサンパウロで暮らしています。二女の母。夫と共に立ち上げたEbisu Filmesの映像製作プロジェクトに関わりながら、10年以上続けているヨガを広める活動をしています。
ホームページ:http://ebisufilmes.com

●開催データ
国名 ブラジル
都市名(地域名) サンパウロ
イベント名(日本語) フェスタ・ジュニーナ
イベント名(現地語) Festa Junina
開催時期(前回開催) 毎年6月半ばから7月末
初回開催年 伝統行事
アクセス (ブラジル全土で行われます)
料金 無料〜数十レアル
予約 通常は無し(開催場所によっては予約の必要有り)
知名度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★☆
開催場所(主な会場) ブラジル全土