パウリスターノ(サンパウロ在住者)が熱狂する街頭カーニバル!「カーニバル・デ・ルア」

ブロッコ・ミニョクイーンズはLGBTコミュニティーに支持される新しいブロッコ

サンパウロ(ブラジル)

ブラジルのカーニバルといえばリオを思い出す人が大半だろう。しかしブラジル経済の中心地であるサンパウロでもカーニバル期間中は大いに盛り上がるのをご存知だろうか。

【サンパウロ街頭カーニバル動画】ナレーション訳:今週末始まったプレ・カーニバルには174のブロッコが参加した。ピニェイロス地区で活動するブロッコ・アヴィーザ・ラはサルバドールの古いカーニバルにインスピレーションを得ている。ペルジーゼス地区ではブロッコ・ピラントラーゼスを見に多くの人が詰めかけた。コンソラソン通りのブロッコ・バイショ・アウグスタはサンパウロ市からステージ設置、簡易トイレ、サインボードなどのサポートを受けている。ブロッコが去った後の清掃もサンパウロ市が担当 。25の清掃チームが600トン以上のゴミを集めた。プレ・カーニバルの成功はカーニバルの成功につながることだろう。ブラジルのカーニバルのスタイルには、サンバ会場(サンバドローモ)で行われるものと街頭で行われるものの2種類があり、ここ数年、サンパウロでは街頭カーニバルがすごい勢いで人気を集めている。
老若男女、誰もが参加者として楽しめるのが街頭カーニバルの醍醐味

老若男女、誰もが参加者として楽しめるのが街頭カーニバルの醍醐味

”Bloco(ブロッコ)”と呼ばれる小・中規模のグループが市内を練り歩くスタイルをとる街頭カーニバルは、リオ・デ・ジャネイロ、サルバドール、オリンダといった歴史都市でかつてから行われていたが、サンパウロでの歴史はそう古くない。サンパウロの街頭カーニバルがいつ開始したのかは定かではないが、現在も活動を続ける最も古いブロッコは1947年に設立されたという。

街頭カーニバルの近年の人気は参加ブロッコ数に顕著に表れている。2011年にサンパウロ市内を行進したブロッコは30程度だったが、2017年にはその数は391にまで膨れ上がった。伝統的なリズムを打楽器で奏でるものから、ヒップホップやファンクを大音響で流すものまで、ブロッコのスタイルは様々だ。赤ちゃん連れで参加出来るよう、演奏のボリュームを控えめにしたブロッコまで存在する。

ブロッコに所属していなくても、打楽器を持って飛び込み参加できる

ブロッコに所属していなくても、打楽器を持って飛び込み参加できる

街頭カーニバルの醍醐味は、誰もがカーニバルに参加できるところだ。お気に入りのブロッコを見に集う人々は思い思いの仮装をし、踊り、ひたすら楽しむ。カーニバル好きは開催期間中、朝から晩まで市内各地のブロッコを見て回り、カーニバル熱に酔いしれることができる。

特に人気がある幾つかのブロッコを紹介しよう。

Ilu Oba de Min(イル・オバ・デ・ミン)は、ブラジルにおけるアフリカおよびアフロブラジル文化の保護と促進と文化面での女性の活躍を促進するNGO団体で、2004年に設立された。

女性だけで編成されたブロッコ、イル・オバ・デ・ミン

女性だけで編成されたブロッコ、イル・オバ・デ・ミン

翌2005年から女性だけで編成されたパーカッションとダンスのブロッコとして街頭カーニバルに参加している。

カンドンブレにまつわる衣装をまとったイル・オバ・デ・ミンの踊り子たち

カンドンブレにまつわる衣装をまとったイル・オバ・デ・ミンの踊り子たち

ブロッコが奏でるのはアフロブラジルの宗教であるカンドンブレの伝統的なリズム。踊り子たちもカンドンブレにまつわる衣装をまとっている。彼女らの迫力ある演奏からは、カーニバル本来のスピリチュアルなパワーを感じることができる。

ブロッコ・イル・オバ・デ・ミンはアフロブラジル文化の保護と促進を目的としたNGO団体が母体だ

ブロッコ・イル・オバ・デ・ミンはアフロブラジル文化の保護と促進を目的としたNGO団体が母体だ

Bloco Saia de Chita(ブロッコ・サイア・デ・シタ)はポンペイア地区で活動するブロッコだ。

ブロッコ・サイア・デ・シタ

ブロッコ・サイア・デ・シタ

2007年にサンパウロ大学の法学部の学生によって設立された。ポルトガル語でサイアとはスカート、シタとは花柄プリントのブラジルの庶民的な布のこと。参加者は男女ともにシタで作ったスカートを身につける。

2017年からはこのブロッコの子供バージョンも登場した。子供たちが楽しめるよう、子供向けの音楽を演奏し、ゲームも用意されている。

大人だけでなく、子供たちも楽しめる子供向けブロッコも数多く存在する

大人だけでなく、子供たちも楽しめる子供向けブロッコも数多く存在する

Bloco Confraria do Pasmado(ブロッコ・コンフラリア・デ・パスマード)もサンパウロ大学のサンバ好きが設立したブロッコで、2007年から街頭カーニバルに参加している。

このブロッコはアシェ、サンバ、マーチなど様々なタイプの音楽を演奏する。こちらのブロッコも子供バージョン、Pasmadinho(パスマジーニョ)が存在する。

人気ブロッコの一つ、コンフラリア・デ・パスマード

人気ブロッコの一つ、コンフラリア・デ・パスマード

Bloco Minhoqueens(ブロッコ・ミニョクイーンズ)はドラッグクイーンの友人四人が2016年に設立した新しいブロッコ。

ブロッコ・ミニョクイーンズはLGBTコミュニティーに支持される新しいブロッコ

ブロッコ・ミニョクイーンズはLGBTコミュニティーに支持される新しいブロッコ

LGBTコミュニティーに厚い支持を受けており、他のどのブロッコよりも、参加する人々の仮装のバラエティーに富んでいる。DJによる音楽パフォーマンスもあり、ストリートパーティー好きな参加者にとっては外せないブロッコだ。

街頭カーニバルのプログラムは新聞や雑誌のほか、サンパウロ市役所が運営するスマホ用アプリでも確認することができる

街頭カーニバルのプログラムは新聞や雑誌のほか、サンパウロ市役所が運営するスマホ用アプリでも確認することができる

(写真提供:サンパウロ市コミュニケーション部)

サンパウロ オダノリコ投稿者:オダノリコ

パリで6年半過ごした後、結婚を機に2011年からサンパウロで暮らしています。二女の母。夫と共に立ち上げたEbisu Filmesの映像製作プロジェクトに関わりながら、10年以上続けているヨガを広める活動をしています。
ホームページ:http://ebisufilmes.com

●開催データ
国名 ブラジル
都市名(地域名) サンパウロ
イベント名(日本語) カーニバル・デ・ルア(路上カーニバル)
イベント名(現地語) Carnaval de rua
開催時期(前回開催) カレンダー上のカーニバル期間(2017年2月24日 〜 2月 28日、2018年2月 9日 〜 2月14日 )およびその前後2週間ほど。
初回開催年 サンパウロの路上カーニバルがいつ開始したのかは不明だが、現在も活動を続ける最も古いブロッコは1947年に設立。
来場者人数(規模感) 1ブロッコにつき1万〜35万人
アクセス サンパウロ市内各所
主催団体(名称) サンパウロ市(サンパウロ市は街頭カーニバル全体の管理を行う。ブロッコは個別の団体が主催)
公式ホームページ http://carnavalderua.prefeitura.sp.gov.br
料金 無料
予約 不要
知名度 ★★★★★
おもしろ度 ★★★★★
開催場所(主な会場) サンパウロ市内の地区:Pinheiros, Lapa, Moóca, Butantã, Casa Verde, Perdizes,その他