スコットランドらしいエッセンスをすべて堪能できるイベント！「ハイランド・ゲームス」

スコットランド地方 アボインAboyne (イギリス)

イギリス北部スコットランドには、春先から9月の比較的気候が穏やかな時期に各地で開催される「ハイランド・ゲームズ」（Highland Games）というイベントがあります。どんなイベントか簡単に言うと「スコットランド的なスポーツと音楽とダンスのお祭り」です。歴史は古く、イベントの原型は18世紀頃にできたという説もあります。

イベント会場に入ってすぐの光景

ちなみに、筆者が2013年に行ったAboyneという場所の会場は入場料が必要で、大人10ポンド、5歳以上の子供は半額、5歳未満は無料でした。
イベントは、バグパイプなどのスコットランド的な楽団の入場で始まります。そしてその後に、各競技がスタート。競技は、丸太棒投げやハンマー投げなど、前時代から続く力自慢のシンプルな内容がほとんどです。

入場前に整列するバンドを後ろから

おびただしい数のバグパイプ奏者たち

そして写真でお分かり頂けるように、競技者と審判は基本的にキルトスカートを着用しています。キルトの作法として「パンツは履かない」ことが伝統的なようですが、観察（？）してみたところ、競技者はパンツを履いているようでした。パンツ着用なら、裾を気にせずに競技に集中できますからね。

丸太棒投げの一場面

丸太を運ぶ選手と審判

写真にもある丸太棒投げは、競技者は手を組んで丸太を縦に持ち上げ、ワンバウンドで遠くに投げます。当然ですが重いので、丸太が手前に倒れることが多いのですが、奥に倒れると高得点になるようです。
そしてハンマー投げは、取っ手のついた分銅のような金属製のおもり（ハンマー）を投げる競技です。2本の支柱の間に渡した木製のバーを超えるように投げ上げ、その高さを競います。おもりの重量は分かりませんが、非常に重そうで、投げたおもりがバーに直撃し何本も折れていました。

ハンマー投げの一場面

そして審判や競技者が至近距離に立っているのですが、手元が狂って頭に当たったりしたら即死レベルだと思います。それを恐れずに近くに居ることも、スコットランド紳士のたしなみなのでしょうか？謎です。
筆者が行ったイベントは、広い競技場の中で複数の競技やハイランド・ダンス（スコットランドの衣装を着た女性たちの群舞）のコンテスト、バグパイプの演奏などが同時進行で行われていました。全ての地方で同時進行するのかわかりませんが、見学の席取りをする前に、自分の目の前にどのようなセッティングがあるのかよく観察したほうが良いかもしれません。私のいた席からはダンスステージが非常に遠く、ハイランドダンスの写真が上手く撮影できずじまいでした。

移動遊園地にはしゃぐ子供たち

そしてお祭りらしく、ハギスなどの伝統料理のほかにホットドックなどの定番屋台も出展されています。当時行った際には、移動遊園地もきていました。
スコットランド中で開催されるこのイベント、とりわけ有名なのはブリーマー（Braemar）という街のハイランド・ゲームス。近郊のバルモラル城に滞在中のイギリス王室のメンバーが臨席することが伝統なのだとか　（例年、9月第一土曜日に開催）。
スコットランドの名物やエッセンスがすべて集まっていると言っても過言ではないこのイベント、大人も子供も楽しめる内容だと思います。

投稿者：倉田直子
オランダ在住ライター。2008年、北アフリカのリビアへ移住→2011年2月「アラブの春」で空港閉鎖前日にギリギリ脱出→2011年8月UKスコットランドに移住→2015年6月にオランダへ再移住。
ブログ：オランダ生活白書　http://trinity.blog.jp