セビージャ(スペイン)
世界中の観光客が見物に来るセビージャの春祭り(現地ではフェリア・デ・セビージャ。以下、フェリア)は、とびっきり華やかなお祭り。期間中、祭り会場では着飾った人々が昼夜を問わず飲んで踊って過ごします。まさに明るくて陽気なスペインのイメージそのもの。一度は目にしたいお祭りです。
フェリアの起源は、1847年の春に開かれた家畜見本市でした。最初は商取引が中心の見本市だったのが、年々とお祭り色が濃くなり現在の形になったそうです。1974年からは会場をより広いロス・レメディオス地区に移して、毎年開催されています。会場はカセタと呼ばれる祭り小屋が立ち並ぶ区画と移動遊園地からなり、2017年は1051軒ものカセタが出ました。
さてさて、この祭り会場の中で6日間に渡ってまさにドンチャンと宴が繰り広げられますが、特筆すべきはその華やかさ。女性はトラヘ・デ・フラメンカと呼ばれる民族衣装を身にまとい、髪をまとめて大きな花飾りをつけます。これが美しいこと! アンダルシアはスペインの中でも美人が多いことで知られていますからね。カセタや会場の飾りも明るくカラフルな色で華やかな雰囲気を盛り上げます。
また日中は馬や馬車の通行があり、飾りをつけた馬も見かけます。華やかな会場の中でシックな乗馬服に身を包んだエレガントな紳士淑女も、またオツなものです。夜になるとポルターダと呼ばれる大きな正門にイルミネーションが灯され、会場全体にも光が点いてキラキラと光まばゆく、それに移動遊園地のネオンが相まってまさに不夜城に。
動画:一晩中ネオンが輝く移動遊園地
フェリアではセビジャーナスという、フラメンコに似た民謡を踊ります。これが少し踊れると、よりフェリアを楽しめること間違いありません。多くのセビージャっ子は老若男女問わずさらっと踊るのですが、それぞれ踊り方に個性があるのでそれを見るのも楽しいです。
動画:カセタの中でセビジャーナスを踊り楽しむ人々(その1)
動画:カセタの中でセビジャーナスを踊り楽しむ人々(その2)
ところで、基本的に飲んだり食べたり踊ったりするのはカセタの中なのですが、ほぼどこもプライベートなので招待されていないと入ることができません。が、会場内には、誰でも入場可能なパブリックのカセタもありますのでご安心ください(2017年は18軒)。アンダルシア各地でフェリアは開催されますが、この点からセビージャのフェリアは閉鎖的だと非難の声を聴くことも。お祭りは今や大きな観光資源とはいえ、もともとは地元もの人たちが楽しむためのものだったので仕方がないかと思います。観光客にとっては、カセタに入らなくとも、華やかな会場内を歩くだけで心がうきうきすること間違いありませんから!!
なお、フェリアは移動祝日で毎年開催日が異なります。同じく移動祝日のセマナ・サンタ(聖週間)が終わった2週間後の火曜日0:00に始まり日曜日に終わるのが基本ですが、暦によって少々変わることもあるのでご注意ください。
投稿者:田川敬子 東京都出身。初めてのヨーロッパ旅行で訪れたスペインに一目惚れ。2002年の春に6年来の夢が叶ってバレンシアで就職。日系企業、地元企業を経て、現在はマイペースで通訳やライター、コーディネートの仕事などを手掛けるなんでも屋。専門はオリーブオイル。OSAJ認定オリーブオイルソムリエ。スペインオリーブオイルスクール日本担当コラボレーター。 Facebook:https://www.facebook.com/spainoliveoil/
国名 | スペイン |
都市名(地域名) | セビージャ |
イベント名(日本語) | セビージャの春祭り |
イベント名(現地語) | Feria de Sevilla |
開催時期(前回開催) | 2017年4月30日~5月7日、2018年4月15日~21日 |
初回開催年 | 1847年 |
来場者人数(規模感) | 350万人(2017年) |
アクセス | サンタ・フスタ駅からタクシーで約15~20分、大聖堂から徒歩30分 |
主催団体(名称) | セビージャ市役所 |
公式ホームページ | http://www.sevilla.org |
料金 | 不要 |
予約 | 不要 |
知名度 | ★★★★★ |
おもしろ度 | ★★★★★ |
開催場所(主な会場) | セビージャ市内ロス・レメディオス地区(Los Remedios) |