花であふれる美しい中庭を巡るパティオ祭り(ユネスコ無形文化遺産)

ブーゲンビリアの華やかな色がまぶしい

コルドバ(スペイン)

スペイン南部アンダルシア地方の人気観光都市コルドバ。ローマ時代には文化都市として栄え、イスラム教徒に支配されていた時代には東ローマ帝国のコンスタンティノープルに次ぐ繁栄を誇った歴史深い町です。コルドバでは毎年5月にパティオ祭りが開かれ、世界中から訪れる観光客で賑わいます。パティオとは中庭のこと。さて、どんなお祭りなのでしょう?

白壁に生える鮮やかなゼラニウムの花

白壁に生える鮮やかなゼラニウムの花

コルドバでもっとも人気の観光スポットであるメスキータは、イスラム寺院をキリスト教の大聖堂に改築した世界でも例を見ない建築物で、2つの文化が融合した幻想的で独特な美しさで訪れる人を魅了します。メスキータのまわりは旧ユダヤ人街で、迷路のように入り組んだ細道のまわりに白壁の家が立ち並びフォトジェニックです。この界隈に限らず、コルドバ旧市街の古い家屋にはパティオをよく目にします。これはローマ時代の名残なのだとか。コルドバでは、このパティオを花などで美しく飾ることで知られています。

イスラム建築とキリスト教建築が融合したメスキータ

イスラム建築とキリスト教建築が融合したメスキータ

コルドバ市役所は1921年5月にパティオコンクールを催し、それ以降何度か開催されない年があったものの、1947年から毎年続いています。現在では、およそ50のパティオが参加して美しさを競い合います。パティオ祭りの期間中はコンクールに参加したパティオが無料開放され、見学することができるのです。その中には、普段は見ることができない個人宅も多々含まれています。2012年には、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。

普段は目にできない個人宅のパティオを見学できる

普段は目にできない個人宅のパティオを見学できる

楽しみ方はとても簡単。まずは、観光案内所などでパティオ祭りの地図をもらうか、公式サイトからプリントアウトします。公開されているパティオの場所が記してあるので、それを見ながらパティオを巡って歩くだけ。歩きながら旧市街の町並みを目にし、お気に入りの一画が見つかるかもしれません。また地元客でにぎわうバルで休憩をとるのもいいですね。運が良ければ、非公式で開放されているパティオに出会うこともあります。

町を歩くとこんな窓にも出会う

町を歩くとこんな窓にも出会う

地元の人でにぎわうバルを見つけたらひとやすみ

地元の人でにぎわうバルを見つけたらひとやすみ

手入れが行き届き、花や植物であふれたパティオはどこも美しい!!のひとこと。中にはバイオリン奏者やギター奏者を呼んで、演奏を聴かせてくれるところもあります。基本的に無料ではありますが、たいていどこもチップ用のお皿などが設置されているので、お気に入りのパティオを見つけたら少々の小銭を置きましょう。

ブーゲンビリアの華やかな色がまぶしい

ブーゲンビリアの華やかな色がまぶしい

期間中は、フラメンコショーやコンサートなどのイベントも連日開催されるので、一緒にお楽しみください。

投稿者:田川敬子
東京都出身。初めてのヨーロッパ旅行で訪れたスペインに一目惚れ。2002年の春に6年来の夢が叶ってバレンシアで就職。日系企業、地元企業を経て、現在はマイペースで通訳やライター、コーディネートの仕事などを手掛けるなんでも屋。専門はオリーブオイル。OSAJ認定オリーブオイルソムリエ。スペインオリーブオイルスクール日本担当コラボレーター。
Facebook:https://www.facebook.com/spainoliveoil/
●開催データ
国名 スペイン
都市名(地域名) コルドバ(アンダルシア地方)
イベント名(日本語) パティオ祭り
イベント名(現地語) Fiesta de los Patios
開催時期(前回開催) 2017年5月2日から14日、2018年5月1日から13日
初回開催年 1921年
来場者人数(規模感) 100万人(2013年)
アクセス マドリードから高速列車AVEで1時間40分から2時間
主催団体(名称) コルドバ市役所
公式ホームページ http://patios.cordoba.es/
料金 不要
予約 不要
知名度 ★★★★☆
おもしろ度 ★★★★★
開催場所(主な会場) コルドバ旧市街全域