イスタンブール(トルコ)
2016年に38回を迎えたイスタンブール・マラソン。アジアとヨーロッパ、二つの大陸をまたぐことのできる、他にはないマラソン大会で、国際陸上競技連盟のゴールドラベルにも指定されているほどなんです。
その歴史はというと、1973年にテルジュメン新聞側によってボスフォラス第一大橋を走るマラソンの構想が出ましたが、実際に実現されたのは1979年のこと。イスタンブールを訪れたドイツの陸上競技のグループが実現に向けて奔走し初の開催にこぎつけました。
ボスフォラス第一大橋は普段は人は渡れない、車専用橋です。当時は、道路片側を通行止めにし、マラソン専用のルートを確立しました。大会の開催日は、奇しくも4月1日。車専用橋の上を走る人々を見て、エイプリルフールのどっきりだと思った人も多かったのだとか。一握りの人数で始まった大会も、今では118国2万5000人もの人々が参加する世界的な大会へと成長しました。
そんな大会に初めて私たちが参加するようになったのは2013年。マラソンコースと言いたいところですが、普段から運動不足の私としては、ファンランがちょうどよい感じ。ファンランというのは、本走りの後にある余興パレードみたいなもの。好きな格好して自分ペースでのんびりとマラソンコースを走る(ほとんどが歩いている)ことができます。
2013年に下の子が5歳となり、コースとしては8キロくらいあるのですが、歩いて渡ればいけるかなぁと思い、初めて参加しました。事前に、近くにあるスポーツ社の体育館で申し込みをし、ゼッケンをもらってきました。腹と背に安全ピンでゼッケンを付け、水筒とおやつをもって、スタート地点へ。学校やクラブなど、同じユニフォームを着ている団体での参加も多く見られました。その中には、動物の面を被ったり、ハローウィンか!?というような妙な仮装をしている人々も見られました。
参加者は一万人近くいたらしく、スタート地点から程遠い場所に並んでいたせいか、スタートの銃声も聞こえず。みんながだらだと歩き始め、スタート感のドキドキもないままにファンラン開始。歌を歌いながら行進している集団もいれば、ラジカセを大音量にして踊りながら歩く集団も。大会というより、祭りというような雰囲気で、レース場のあちこちになぜかスミット(ゴマパン)屋が出ていました。
しばらくすると、青空に大きく孤を描く橋梁が見えてきました。待ちに待った第一大橋です。橋の上ともなると、みんなが立ち止り、写真をとっているので、人口密度が半端じゃない。私たち一家も人ごみかきわけ、橋の上へ。普段車でさっと通るだけの景色もゆっくりと立ってみれば、つくづくイスタンブールの美しさを痛感しました。二つの大陸を流れるボスフォラス海峡の青さ。向こうには世界遺産となったスルタンアフメット地区の遺跡が浮かび上がっています。
うちら家族でボスフォラス海峡をバックに写真をとろうとしましたが、なかなかの人ごみでそれも難しい。恐縮しながら記念撮影をしましたが、その先には橋のど真ん中でチャイとポアチャ(菓子パン)を出し、朝食をしているグループが…。さすが、トルコとあきれるやら、笑いがでるやら。
最初の年は5歳の息子が途中でぐずるだろうと思っていましたが、8キロの道のりを何とか家族でゴールすることができました。ゴールした記念品として、ゼッケンと引き換えにメダルとTシャツをもらいました。5歳の息子は初めてのメダルに大喜び。家族みんなで達成感も味わえ、いい思い出となりました。みなさんも好きな家族や友達と一緒に歩いてみてはいかがですか?
投稿者:トルコのつぼ トルコ在住歴10数年。子育ての傍ら、ライター兼翻訳などをこなしている。チャイが大好きで、ピクニックにもMyトゥプ(ミニ・プロパン)を持参にチャイポットでチャイを作っている。座右の銘は「なるようになる」
●開催データ | |
国名 | トルコ |
都市名(地域名) | イスタンブール |
イベント名(日本語) | イスタンブールマラソン |
イベント名(現地語) | İstanbul Maratonu |
開催時期(前回開催) | 2016年11月16日 2017年は11月12日(日曜) |
初回開催年 | 1979年 |
来場者人数(規模感) | 2万5000人 |
アクセス | メジディエキョイから無料シャトルバス有り |
主催団体(名称) | イスタンブール県スポーツ社総局(İstanbul Büyükşehir Belediyesi Spor A.Ş. Genel Müdürlüğü |
公式ホームページ | http://www.istanbulmarathon.org/en |
料金 | マラソン参加費別途、ファンランは無料 |
予約 | マラソンは開始年の1月1日~、ファンランは11月 |
知名度 | ★★★★☆ |
おもしろ度 | ★★☆☆☆ |
開催場所(主な会場) | ファンランのゴール:ドルマバフチェ宮殿前 Dolmabahçe Sarayı |
開催場所(住所) | Dolmabahçe Cd., Beşiktaş/İstanbul |