大スペクタクルロマンのラーマーヤナに熱狂!インド三大祭りのひとつ「ダシェラ祭り」

魔王にはほど遠すぎる顔がにくめないラーヴァーナ。

インド(全域)

インド三大祭りの一つ「ダシェラ祭り」。インドではホーリー、ディワリに続く三大祭りの一つです。デリーに住んでいる私にとって、避ける?事ができないこの三大祭りですが(騒音や色水や、とにかく賑やかなのが大好きな北インドの方たちに囲まれているため)歴史や、その背景などをよく知らずに参加していましたが、調べてみると、インド中の人たちが熱狂するわけがわかる気がしました。今日はそのほんの一部ですが(特にラーマーヤナを語ると、それこそ10日ぐらいかかるので)皆さんにお祭りのハイライトと共にお伝えしたいと思います。

ラーマーヤナの挿絵。インド神話の人が青いのはインド人の褐色の肌を表しているのだとか。

ラーマーヤナの挿絵。インド神話の人が青いのはインド人の褐色の肌を表しているのだとか。

まずは、ダシェラ祭りのベースとなっている「ラーマーヤナ」から。これは叙情詩(じょじょうし)と呼ばれるもので、日本でいう「竹取物語」「源氏物語」などですが、ヒンズー教の聖典の一つともいわれているので、ヒンズー教の人たちにとっては聖書のようなものです。紀元3世紀ごろ書かれたものですが、全7巻48000行にも及ぶ大スペクタクルロマンなのです。また、「マハーバーラタ」と並んで2大叙情詩の一つと呼ばれています。

ラーマーヤナの芝居風景。インド全土でヒンズー教の教えと共にこの劇が行われています。

ラーマーヤナの芝居風景。インド全土でヒンズー教の教えと共にこの劇が行われています。

ダシェラ祭りは、この「ラーマーヤナ」の最大の見せ場でもある、物語の部分、ラーマ王子と、魔王ラーヴァナが9日間闘った後、10日目にラーマ王子が勝利を勝ち取った日をお祝いする日です。さらにいうと、インドらしいのが、この期間は、インドの地域によってお祝いをする対象が事なり、同じダシェラの期間に、ドゥルガーという女神を祝う地域もあります。ラーマ王子の勇敢さ、ハヌマーン(猿の神様)の献身的な忠誠心などを劇にしてこの9日間にお芝居をいたるところで上演しています。

世界遺産ラールキラー。この中や、隣にある大きなグラウンドでもダシェラ祭りは行われています。

世界遺産ラールキラー。この中や、隣にある大きなグラウンドでもダシェラ祭りは行われています。

イベント期間の9日間、この神話に基づいて様々なイベントが行われます。この記事では、レッドフォートで行われるダシェラ祭のクライマックスがどうなっているかお伝えします。実は、至るところでこのようなイベントがデリー中あちこちで見かけられます。時間がなくてレッドフォートまで行けない人もデリーではいろんなところでやってますので楽しんでくださいね。

レッドフォートの中にある民芸品エリア。ここは昔商人がお店を開いていた場所だったとか。

レッドフォートの中にある民芸品エリア。ここは昔商人がお店を開いていた場所だったとか。

私がレッドフォートでのイベントをご紹介する理由に、ショッピングも楽しめる場所があるという事や、近隣でもたくさんイベントを行っている事があるからです。写真はレッドフォート内にあるショッピングエリア(中にあります)。これなら朝から行ってレッドフォートをぐるっと回って(結構な広さです)買い物もして、ひと休みしてからイベントへ行けますね。

巨大な悪者の象徴、ラーヴァーナ。顔が9つあるのが特徴です

巨大な悪者の象徴、ラーヴァーナ。顔が9つあるのが特徴です。

これがラーヴァーナをモチーフにした巨大ハリボテです。コレを勝利の日にお祝いとして「炎上」させるわけですから、いやがおうにも盛り上がります。その前までは、会場ごとにデザインの違うラーヴァーナが設置されていて、芸能人が歌を歌ったり、全7巻あるラーマーヤナを9日間かけて上演しています。

魔王にはほど遠すぎる顔がにくめないラーヴァーナ。

魔王にはほど遠すぎる顔がにくめないラーヴァーナ。

別の場所に建てられたラーヴァーナ達。顔が9こある魔王というのが話らしいのですが、劇中の悪者は何人かいるため、それに合わせて地域の制作者のセンスでその形は様々。このお祭りの前10日間は、いろんな所でハリボテを見ることができるのですが、インドならでは!だいぶ不格好な人形なんです。

夜になると目がひかります。この日は町中でこういう人形を見かける事ができます。

夜になると目がひかります。この日は町中でこういう人形を見かける事ができます。

10日目のダシェラ祭りの夜はどこも込み合っていますが、こんな感じで人、人、人。この日はインド中が祝日ということもありたくさんの人が会場に集まっています。だんだん夜も暗くなってきたころ、劇もクライマックスを迎えます。

夜になると、灯りがともり、お祭りならではの雰囲気が味わえます。デリーは、毎年この時期は気温もほどよく、非常に過ごしやすいです。でもまだ蚊もいますので、虫よけスプレーは忘れずに。女性は多くの人がいるので露出の高い洋服は避け、せっかくですから、インドの民族衣装(サリーやパンジャビドレス)を着てお祝いするのがいいと思います。

燃え盛るラーヴァーナ。インド人はこういうスリル感のあるイベントが大好き

燃え盛るラーヴァーナ。インド人はこういうスリル感のあるイベントが大好き

こちらが、火をつけられた魔王ラーヴァーナです。目の前にそびえる人形が炎でしかも倒れてきそうになるのは、非常に迫力があります。音楽や歓声と共に、花火があがり、ダンディヤというスティックを持ったダンスを踊ったり、もう大騒ぎです。

ダシェラ祭りが終わると、ディワリと呼ばれるインドのお正月がもうすぐそこです。(2018年は11月7日)。このシーズンは普段の生活からお祭り感を味わえて楽しいですよ。ラーマーヤナやインドの神話を知るとより楽しくなりますね。くれぐれも安全第一で、慣れているガイドさんや、現地の信用できる人達と同行する事をお勧めします。

投稿者:インドぐらし
アーユルヴェーダがきっかけで2013年よりインド在住。インドはハイテクから古代伝統まで、100人100色楽しめます。「インドあるある」や、漫才のようなインド人とのやり取り、現地の家庭料理、インド人ご用達のお店などをご紹介します。
HP:www.nomadasia.in
ブログ:https://ameblo.jp/nomadasia/
Twitter:@indoayurveda
Facebook:https://www.facebook.com/ayurveda.nomadasia/
●開催データ
国名 インド
都市名(地域名) インド全域
イベント名(日本語表記) ダシェラー祭り
イベント名(現地語表記または英文名) dussehra
開催時期(前回開催・次回開催) 毎年9月か10月
初回開催年 1979年
来場者人数(規模感) 約10,000人
アクセス ニューデリー空港より車で40分 デリーメトロLal Qila 駅下車徒歩10分
主催する団体(名称) Lav Kush Ramlila Committee
公式ホームページURL http://www.lavkush.com/
料金 無料
予約 要 当日登録制(要確認、人によってはなにもしないで入れたという人も)
知名度 ★★★★☆ 4
おもしろ度 ★★★★☆ 4
開催場所(主な会場) Red Fort内 特設会場
開催場所(住所) Netaji Subhash Marg, Lal Qila, Chandni Chowk, New Delhi, Delhi 110006