生きた豚が丸ごと一匹当たる抽選会!?伝統の村祭り「マラノ・デ・サン・アントン」

約7か月一緒に過ごした豚と分かれるのも寂しいようだ。

サラマンカ県アルベルカ村(スペイン)

スペインと言えば生ハム。中でもサラマンカ県は気候が適していることから美味しい生ハムができる産地として有名です。そんな土地柄だけあってサラマンカ県Alberca村ではなんと豚が一匹当たる抽選会が行われます。

アルベルカ村周辺でその年の豚が散歩していることも!

アルベルカ村周辺でその年の豚が散歩していることも!

この「Marrano de San Antón」という祭りは中世から続いており、6月13日に村に黒豚が一匹放たれ、約7か月の間、立寄る家で餌をもらったり近所の庭で夜を過ごしたり村全体で育てていき、翌1月17日に抽選会が行われます。昔は村で一番貧しい家庭に贈られていたそうですが今現在では村の住人や観光者でも抽選券を買った方の中から選ばれます。抽選券は通常マヨール広場で村の人が1枚1ユーロで販売しています。

約7か月一緒に過ごした豚と分かれるのも寂しいようだ。

約7か月一緒に過ごした豚と分かれるのも寂しいようだ。

集まった金額はONGに寄付され、当選者は豚をそのまま持ち帰ってもよいし、豚一匹相当の商品セット(チョリソや生ハムなど)に引き換えることもできます。昔は”踏み絵”のような敬虔なカトリックかどうか確認する意味もあったそうです。

教会の脇には豚の像も。この地方はイベリコ豚製品の産地でもある。

教会の脇には豚の像も。この地方はイベリコ豚製品の産地でもある。

1月の抽選会は村の中心のマヨール広場で行われるのですが当日は昔ながらの器具を使った豚の腸詰め(チョリソ)作りや名物料理が振舞われたり家族で楽しめます。6月13日から抽選会までの間にAlberca村を訪れた方でこの黒豚が散歩してるところを見れたらラッキーかも!!

profile_madrid_miyukimiura投稿者:みうらみゆき
学生時代に留学したスペインの食文化に驚かされ、日本で就職後、2008年より本格的にマドリードへ移住。以後、スペイン人向けの和食料理教室、日本人向けのスペイン料理教室を主宰。休みがあればスペイン、ポルトガル各地を車で旅行しており、近年はスペインの食文化を紹介するライターとしてTVや雑誌などで活動中。日本からの旅行者向けのスペイン料理教室も随時開催しているのでお気軽にお問合せください。2児の母。
ブログ:https://ameblo.jp/spainfoodmarket/
●開催データ
国名 スペイン
都市名(地域名) サラマンカ県アルベルカ村 La Alberca, Salamanca
イベント名(日本語) マラノ・デ・サン・アントン
イベント名(現地語) Marrano de San Antón
開催時期(前回開催) 1月17日(もしくはその週の土曜日)12時頃~
初回開催年 中世から続く
来場者人数(規模感) 広場が埋まるくらい
アクセス サラマンカよりバスで約70分
主催団体(名称) Ayuntamiento de La Alberca(アルベルカ村役場)
公式ホームページ http://www.laalberca.com/principal
料金 無料
予約 不要
知名度 ★★☆☆☆
おもしろ度 ★★★★★
開催場所(主な会場) La Alberca村のマヨール広場
開催場所(住所) Plaza Mayor, La Alberca 37624 Salamanca