バンコク(タイ)
中国の旧暦8月15日は「中秋節」です。この日は「春節」(元旦)と並ぶ中国の伝統的な祝日となっています。
この時期の中国は、雲が少なく霧も薄いことから月見の習慣が生まれました。また、中秋期に見られる満月は“家族の団欒”を象徴するものと考えられました。こうして、中秋節の祝日には、満月を見立てた大きな月餅を切り分けて家族そろって食べる、という風習が現在に伝わっています。
タイ王国においても、この伝統が大切にされてきました。中秋節はタイの祝日にはなっていませんが、特に中華系タイ人が多いバンコクでは中秋節は人気のお祭りです。
中華系タイ人の多くは中秋節(ワン・サーチン)の日が近付くとプレゼント用の月餅を購入します。中華街の多くの店では様々な種類の月餅(タイでは”カノムプラチャン”と呼びます)を店頭に並べ、賑やかな街は月餅を買い求める客で更に賑やかになります。デパートでも“月餅商戦”が盛んになり、スターバックスなどのカフェでもこの時期に限って月餅が売られます。
タイにおいても中秋節には家族の団欒が大切にされています。華人の多くは各家庭で団欒の時間を過ごします。したがって、中秋節の当日に中華街で特段に大きなイベント等が行われることはありません。しかし何と言っても有名な中秋節です。“何かある”ことを期待して集まる外国人観光客などが多いために、中華街はやはり賑やかになるのです。その様な観光客を見越して月餅の売り残りを捌こうとする店なども多く、また、無理矢理にこの日を盛り上げようとする若者集団なども散見され、いつもの中華街とは少し違った雰囲気を感じることができます。
動画:バンコク(タイ)中秋節の市内の様子
2017年10月26日にはプミポン前国王ラマ9世の葬儀が予定されています。10月に入って、バンコクの街全体には前国王への敬意を表すために娯楽イベントなどを自粛するムードが濃くなっていました。したがって2017年の中秋節は、伝統的なお祭りを楽しみたいという庶民の気持ちと、敬愛する前国王への弔意とが交じり合った独特な雰囲気の中で迎えられたようにも感じます。来年度はまた違った様子を見ることが出来るでしょう。
ただ、やはり中秋節は家庭での家族団欒を重視するイベントですので、中秋節の当日ではなく、その前の数日間、言い換えれば中秋節の準備期間における中華街の盛り上がりを観て楽しむものなのかもしれません。なお、中秋節のすぐ後には、やはり中華系の菜食週間(ギン・ジェー)のお祭りが行われます。
投稿者:もじゃ タイ在住7年目。タイ料理好き。屋台好き。酒好き。和食を全く必要としない、かなりタイ化した日本人(タイ語は全然話せないのですが)。街の路地裏を徘徊するのが趣味。基本的に単独行動派。現在、子育て奮闘中です。
●開催データ | |
国名 | タイ |
都市名(地域名) | バンコク |
イベント名(日本語) | 中秋節(ワンサーチーン) |
イベント名(現地語) | chinese moon festival |
開催時期(前回開催) | 中国旧暦8月15日(2017年は10月4日、次回2018年は9月24日) |
初回開催年 | 正確には中国・宋の時代より祭日として一般化したとされる。 |
来場者人数(規模感) | 不明 |
アクセス | 国鉄フアランポーン駅から徒歩10分程度 |
知名度 | ★★★★★ |
おもしろ度 | ★☆☆☆☆ |
開催場所(主な会場) | 中華街、ヤワラート通り、チャルンクルン通り周辺 |