バンコク(タイ)
世界には王室の存在する国が数多くあり、その中でもタイ王室は特別の存在感を誇ってきました。タイの歴史において、国王は国家の父たる存在として考えられてきました。タイ国民の敬愛を集めた故プミポン国王(ラーマ9世)の誕生日である12月5日は国民の祝日「父の日」として親しまれてきました。
2016年10月13日、プミポン国王は崩御されました。現在は新国王ラーマ10世が即位されています。これにより12月5日は「父の日」ではなくなりました。しかし、特に国民から愛されたプミポン国王の誕生日は、これまでと変わらず国民の祝日「ラーマ9世誕生日」として残されることになりました。
動画:王宮前広場
2017年12月5日、王宮前広場の周辺には昨年までと変わらず、黄色いシャツを着た大勢の人々が集まっています。黄色は故プミポン国王のシンボルカラーです。今年、王宮前広場内に故プミポン国王の火葬のための施設が建設されました。この日は、その火葬施設が一般公開されることになっており、亡き国王を偲ぶために多くのタイ国民が集まったようです。
広場周辺の大通りには数多くの飲食屋台が出店している他、故プミポン国王の関連グッズ(肖像画、写真、王の顔写真入のペンダント等々)を路上販売する人々などが大勢いてとても賑やかです。大型観光バスに乗ってやって来たツアー団体などもあり、王宮広場の周辺はまるでお祭り状態です。服喪期間は既に終わっているためか悲しい雰囲気は全くありませんでした。
しかし、厳重なセキュリティーチェック(身分証名書の提示も必要)を終えて王宮広場の中へ入るとその様子は一変します。広大な敷地には待機用の椅子が大量に並べられており、入場者は一定の人数が集まるまでその椅子に座って静かに待ちます。
ここに至るまでには写真撮影が禁止されている場所もあったようです。一度、警察官にカメラの画像をチェックされ数枚の画像を削除させられてしまいました。いずれにせよ、広場の外の賑やかな雰囲気とは異なり、多少の緊張感と厳粛な雰囲気があります。
決められた人数が集まると火葬施設のある場所へと通されます。火葬施設といってもその外観はまるで寺院の様です。人々はその建物の前に跪いて真剣にお祈りをしたり、記念撮影をしたり(ここでの写真撮影はOK)、それぞれの時間を過ごしていました。
おそらく来年以降も12月5日の王宮前広場には多くのタイ国民が集まることでしょう。活気あるお祭りの雰囲気、前国王を偲ぶ厳粛な雰囲気、タイの人々が持つ二つの面を同時に見ることができるような気がします。
投稿者:もじゃ タイ在住7年目。タイ料理好き。屋台好き。酒好き。和食を全く必要としない、かなりタイ化した日本人(タイ語は全然話せないのですが)。街の路地裏を徘徊するのが趣味。基本的に単独行動派。現在、子育て奮闘中です。
●開催データ | |
国名 | タイ |
都市名(地域名) | バンコク |
イベント名(日本語) | ラーマ9世誕生日 |
イベント名(現地語表記) | วันเฉลิมพระชนมพรรษา |
開催時期(前回開催・次回開催) | 12月5日 |
初回開催年 | 2017年 |
来場者人数(規模感) | 多数 |
アクセス | 王宮北側、カオサンロードから徒歩15分程度 |
主催する団体(名称) | タイ政府 |
主催する団体(連絡先) | |
公式ホームページURL | なし |
料金 | なし |
予約 | なし |
知名度 | ★★★★★ |
おもしろ度 | ★★★★★ |
開催場所(主な会場) | 王宮前広場(サナーム ルアン) |
開催場所(住所) | Phra Borom Maha Ratchawang, プラナコーン バンコク 10200 |